オオシロカネグモの網

真夏の元宇品にやって来ました。小さな島である宇品島でも水の豊富な谷があり、四季折々様々な生き物に出会うことが出来ます。

2022.7.31

アシナガグモ科のシロカネグモの仲間は細い脚が優美な美しいクモ達です。中でも、オオシロカネグモは「大白銀蜘蛛」と書くように、陽に当たるときらりと白く輝き何とも言えない気品のある佇まいです。真夏の元宇品、渓流のクモであるオオシロカネグモが大きくてきれいな水平円網を張っているはず…秋に向かってジョロウグモが勢いを増す前に良く見ておきたかったのです。

2022.7.21 元宇品

わぁ~、あちらにも、こちらにも…アンティークレースの展覧会のようです。渓流のクモであるオオシロカネグモは、水面から飛び立つ虫を捕らえるために大きな網を水平に掛けます。網の特徴は、円網の真ん中がぽっかりと開いていることです。クモの円網の真ん中の部分を『こしき』と言いますが、この『こしき』とは、車輪の中央にある車軸を通す穴のことです。

クモの円網の真ん中の穴が開いていれば、「開こしき」、クモの糸を渡して穴が閉じていれば「閉こしき」と言います。『こしき』そのものが無いものもあり、その場合は「無こしき」と言います。

網の真ん中がぽっかりと開いているのが分かりますか?

2022.7.31

こちらはジョロウグモの網です。ジョロウグモの網は主となる網の前後に粗い網がある3重構造で時に乱雑に見えます。

2022.8.11

一方オオシロカネグモの網はというと、一重(ひとえ)の網には縦糸に横糸が整然と並び、几帳面な仕事ぶりがうかがえます。

2022.8.12
2022.8.11 
2022.8.11 
2022.8.11 
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真夏の夕暮れ、谷にはセミの声が響き時々虫たちの羽音が聞えます。クモは静かに糸を手繰り、またひっそりと網に留まります。風に揺れる網やクモ達を見ていると熱帯魚の水槽の前に居るようです。ジョロウグモは秋の女王、でも真夏のこの谷の主役はわたくし達よ…とささやいているようなクモ達でした。

アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
副代表 畑 久美

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