宇品島の歳時記(清明)
すべてのものが生き生きとして、清らかに見える。
玄鳥至(つばめ きたる) 4月5日~4月9日
寒い冬をあたたかい南の島で過ごしていたツバメが海を渡り日本にやってくる頃。
人家の軒下などに巣をつくり,子育てをします。
元宇品ではツバメの姿を見始めると,黄色いカバーを付けたランドセルを背負った新入生が坂を上って行くようになります。今年は4月5日にはツバメを見かけました。海岸の山桜が満開で美しいです。
タケノコがニョキニョキ生えてきました。
冬眠から目覚めたアマガエルが鳴き始めました。
鴻雁北(こうがん きたす) 4月10日~4月14日
ガンが北へ渡去する頃。
雁の飛ぶ姿は見られませんが,元宇品ではカワウが集団で飛ぶようすはよく目にすることができます。
カナメモチやアカメガシワの赤い新芽が目を惹きます。
今年もゼンマイが生えてきました。
ビロードツリアブを見つけました。吸蜜のためにホバリングしています。 クマバチも畑の中で「ブーン」という大きな音を立ててホバリングします。スイセンにやって来るメスバチを待っているのでしょうか。動くものを見ると追跡します。
虹始見(にじ はじめて あらわる) 4月15日~4月19日
鮮やかな虹が見え始める頃。
タブノキの頂芽から花芽と葉芽が伸びてきました。
今年の藤の花は早めの満開を迎えました。
日の当たらない暗い草陰に隠れていたマイマイカブリ,カタツムリを待ち伏せしていたのでしょうか。
春の暖かさが増し,草花も虫たちもすべてが生き生きと活動し始めました。
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
坂谷知子