子グモの集団『団居(まどい)』

クモは昆虫のように卵を産みます。ただ卵を産み付けるのではなくて、数十~百個の卵をふわふわの糸で包み、柔らかな卵を守ります。このゆりかごのことを『卵のう』と言いま
す。

卵のう
卵のう

ゆりかごの中で孵った子グモは『卵のう』の中で最初の脱皮をします。次に卵のうに小さな穴を開けて外に出て、その周辺に寄り添いかたまります。
3月末の元宇品の海岸遊歩道、ぽかぽかと暖かい昼でした。日当たりの良い草むらに何やら塊があります。

2021.3.25 元宇品

子グモ達が葉の影に集団を作っています。これはクモの『団居(まどい)』というものです。クモの種類によっては傍に母グモがいる場合もあるのですが、この時は気が付きませんでした。そっと刺激すると逃げ出しますが、また戻ってきます。
一部を除いてクモは単独生活をする生き物です。クモの一生の中で集団生活をするのはこの時だけ、子グモはこの団居(まどい)の中できょうだい達と数日間を過ごし旅立ちます。

アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
副代表 畑 久美

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