美しき秋の女王『ジョロウグモ』其の2
元宇品の森、秋の訪れとともにジョロウグモの恋の季節がやって来ました。メスは夏の盛りを過ぎると、今までにない大きな網を張るようになります。初秋の元宇品を歩くと「あぁ、彼女たちの網が大きくなったなぁ…」と感じます。
ジョロウグモのオスは、成熟するまでは自分の網を張って獲物を捕り生活をしています。恋の季節の到来で、彼は自分の網を捨て彼女の網にやって来ました。
細く小さなオスに比べてメスの体は5倍も大きく、そうして力強くみえます。彼女の視力は弱いので、オスは獲物に間違われないようメスに近づかなくてはなりません。メスが脱皮直後で疲れているときや、食事中などがチャンスです。
写真の説明:オスがメスのお腹に近づきます。オスの口元にある触肢はスポイトになっていて、網の上に出した自分の精子を吸い貯めてメスのお腹にある『外雌器(がいしき)』に注入します。この生殖行動は『交接』と言われます。
メスのお腹の上にいるオスが分かりますか?彼のプロポーズは彼女に受け入れられたようです。
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
副代表 畑 久美