宇品島の歳時記【小寒】
こよみ便覧では 「冬至より一陽起こる故に陰気に逆らふ故、益々冷える也」
小寒から節分までの三十日間のことを「寒の内」と言い,寒が明ければ立春となります。
芹乃栄(せりすなわちさかう) 1月5日~1月9日
芹が生え始める頃。
芹は春の七草のひとつで,一か所から競り合って生えていることからセリという名前が付いたと言われます。
七草が生え始めると聞き島の中を探しましたが,セリは見つけることはできませんでした。大根は畑にあるのですが,なんとナズナがすでに白い花をつけていました。ハコベラも発見して喜んだのですが,帰宅して調べてみると葉の形状や花芯がどうも違うようです。ウシハコベかしら?
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元宇品町内会では松の内が明けた日曜日にとんど焼きが行われます。中の谷から切り出した竹でやぐらを組み,松飾や門松,書初めの書などを持ち寄り今年の無病息災を祈願して執り行われるのですが,2年連続してコロナ禍のために中止となりました。
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水泉動(しみずあたたかをふくむ) 1月10日~1月14日
凍っていた泉がとけて、水が少しずつ動き始める頃。
宇品島では雨が降らなくても常に水が湧き出ている場所が何か所かあります。江村の大井戸があったすぐそばの溝も水が枯れることがありません。
ひとつ柊 冬の花 日の暮れどきに匂います ♫
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海岸では枯葉の下からコマツヨイグサが黄色い花を咲かせていました。
雉始雊 (きじはじめてなく) 1月15日~1月19日
雉が鳴きはじめる頃 。
去年の春,似島で久しぶりにキジの鳴き声を聴きました。私が幼少のころ山にでかけると必ず出くわしたものです。宇品島でも以前はよく観られたそうです。
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ハクセキレイが海岸でエサを探しています。
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ロウバイは,学名をChimonanthus praecox と言い。ギリシャ語の「cheimon(冬)+ anthos(花)」が語源で「冬の花」を意味するそうです。
お正月頃の花が少ない季節に咲いてくれるうれしい花です。 とてもよい香りがします。
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
坂谷知子