元宇品の光るキノコ
昨年より『変形菌』に興味を持ち、宇品島のあちらこちらをルーペで覗いています。変形菌の子実体を見つけたい一心で、小径や斜面の落ち葉や倒木を観察するようになりました。
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落葉や小枝の上に小さな粒粒を見つけると、「おっ、子実体かも!」とトキメキますが、砂であったり、キノコであったり…。トキメキとがっかりの繰り返しで時間が過ぎていきます。しかし、よくよく見るとその極小のキノコの可愛さと言ったら…。
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枯れ枝にくっ付いた粒粒の愛らしさは特別です。変形菌のマメホコリでは無いかと思ったのですが、触ってみると思ったよりも硬いものでした。
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これはスズメタケのなかま。傘の裏を見ると管孔が放射状に並んで美しいレース模様です。なんと、スズメタケは暗闇で光るとか…そうなんだ、宇品島の森には発光キノコが棲んでいるんだ!
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冬になりました。変形菌の先生から冬でも子実体が見つかりましたよ、とお便りを頂きました。そうだ、冬を見ておかないと春が分からないよね…時間を見つけては森を歩きます。春を待つ命たちは一体どこに隠れているのでしょう。
ある日、訪問が遅くなり天気も悪く薄暗くなった森を急いでいました。とはいっても気になる場所では動くことが出来ません。暗い中で倒木の割れ目を覗いていると小さな粒粒があるような。キノコなのかなぁ、写真を撮ってみると…あれ~
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「これは発光しているんじゃないか!」
「えっ、光ってるっということ?」
「見間違いじゃないの?」
「いやいや、本当よ!」
「うわー、すごいすごい!」脳内会議は大騒ぎです。
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キノコは約1mmと極小で、上から見ると赤血球のような形で横から見ると茶碗のような形です。白っぽいものや黄色味を帯びているものなどがあり、若い個体かそうでないのか良く分かりません。光っているように見えますが、そもそも、発光なのか、蛍光なのか、単にそう見えただけなのかも。
宇品島の森の妖精がなぞなぞを解いてごらん!と私にささやきました。私は答えを返すことができるのでしょうか…。
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
副代表 畑 久美