葉っぱの手品
3月になりましたがまだまだ寒い宇品山です。
森の小径を歩くと、落ち葉が降積りふんわりとした感触です。
薄暗い森の中ですから、光るものにはすぐに目が行きます。
「えっ、火?」
落ち葉の下に火種がある!警戒警報が頭の中で鳴り響きました。いや待て待て…以前夕映えを間違えたことがある私は慎重になりました。「うーん、火に見えるけど…」斜面に手を伸ばし、その枯葉をつまみあげると、何の変哲もないその辺にある枯葉です。火なんてどこにあるのやら…。
「さぁ、お立合い!種も仕掛けもありません。」
「この茶色い葉っぱ、ずい分くたびれてボロボロですね~~」
「この枯葉に魔法をかけま~す。」
「燃えよ、葉っぱ!!」
拍手~~~
この見事な赤い色は、枯葉を光に透かしたとたんに現れます。手品のネタは葉の傷み具合と早春の陽光だったのです。手元の枯葉はずい分傷んで、表面が黒ずんだりけずられたりまだら模様になっています。裏返したり近づけたり観察しますが、何がどうなってこうなるのか良く分かりませんでした。
自然はスーパーマジシャン、脱帽した私はまた小径を歩き出しました。
(関連)
燃える元宇品 – アース・ミュージアム元宇品 (sanpo-motoujina.club)
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
副代表 畑 久美