キツツキの落とし物
真夏の元宇品、灯台からプリンスホテルまで車道を歩きながら斜面の観察をしていました。ふと下を見ると、鳥の羽根が落ちています。
「かわいい~~、モノトーンだけど、この水玉模様のおしゃれなこと!!」
手に取って近くで見たり透かしてみたり…、水玉模様はキツツキの羽根です。宇品島のキツツキと言えば…「コゲラ」の羽根かしら。
コゲラは日本のキツツキ類で一番小さく、スズメくらいの大きさです。木から木へと飛び移り、幹の下から上へと回りながら登って餌を採ります。小さくても白黒まだらの体は美しく目に付き、宇品山でも枯れ木を突いているところが時折見られます。
動画
森を歩くとコゲラが木を突いて餌を採っている音が聞こえました。一体どこにいるのでしょう。動画の最後に聞こえる「ギィー」と言う鳴き声はコゲラでしょうか…。
鳥の羽根には、飛ぶための羽根、体を守るための羽根、体を保温するための羽根があります。
拾った羽根の真ん中には「羽軸・うじく」という硬い軸があり、空を飛ぶために使われる「風切羽根・かざきりばね」のようです。
羽軸の片側は狭く反対側は広くなっていて、調べてみると翼の最も外側に位置する「初列風切・しょれつかざきり」でした。
夏は野鳥たちの羽根が生え変わる季節です。宇品山の風に乗ってひらりと落ちてきたのでしょうか…。
写真提供:今井義尚氏
参考:フィールドのための野鳥図鑑 野山の鳥 高木清和 山と渓谷社
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
副代表 畑 久美