ヤブツバキの散歩道
3月19日には広島で桜の開花が宣言されました。
雨上がりの宇品山を訪れてみると、冬の森を彩ったヤブツバキが最後の盛りを迎えていました。元宇品の照葉樹林の代表種とも言えるヤブツバキの開花時期は冬から春にかけてです。

落ちている花を観察してみました。

ヤブツバキの花びらは5枚で筒状の花には多数の雄しべがあります。雄しべには花粉がたっぷりとあり、蜜を吸いに来た冬の小鳥たちは顔を黄色く染めて花粉を運んでいきます。小鳥がとまり易いような丈夫な花びらです。花弁(花びら)の付け根と雄しべが合着してしているので、サザンカのように花びらが1枚ずつ散るのではなくて、一つの花ごと落花します。
動画
展望台から車道に向かうと…うわぁ、椿の散歩道…

島の南部のクスノキのひこばえ周辺にはヤブツバキの群落があります。


降積った落ち葉の上に赤いヤブツバキの花…何百年も前、島が原生林に覆われていた時代と同じ風景を見ている気がしました。
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
副代表 畑 久美