南島原だより11【島原半島ジオパーク】
島原半島の南側にある地球を感じる風景を紹介します。
1 龍石海岸
海に迫り出した約10メートルの崖は、約50万年前に始まった雲仙火山の活動初期の地層が見られます。下層は泥や砂の浅い海に溜まった堆積、中層は軽石を含んだ黄色い火山灰、上層は10センチメートル以上のレキを含んだ火砕流堆積物です。海岸にある大きな岩も黄色い崖も手でホロホロ崩れます。
2 原城跡
約9万年前に起きた阿蘇噴火に伴う大火砕流がここまで達し、海や川の堆積物を埋めました。雲仙火山とは違う白い軽石を含んでいます。標高約30m、周囲約4kmの平らな土地で東は有明海、西と北はほぼ低湿地と好条件だったのでしょう。1637,8年に起きた島原天草一揆の最後の激戦地になった原城が建っていました。
3 早崎半島の玄武岩
約430万年前に島原半島が海底火山の噴火で生まれた、半島でも一番古い場所です。現在の島原火山と組成が異なる玄武岩質の溶岩で、鉄分を多く含む真っ黒い岩や赤色の土が特徴的。ハワイなどでも似た風景が見られます。防風や石垣の支えにアコウを植え、三百年を越す巨木もあり圧巻です。
4 両子岩(ふたごいわ)
約150万年前に噴火した国崎安山岩による土石流堆積物です。昔は2つの岩塔がありましたが、大正11年の大地震や波の侵食によって崩れ、今は人の頭のようになった1つが残されています。某政治家に似ているとかいないとか・・・近くからは160~40万年前の哺乳類の化石が出土しています。
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
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