広島市立宇品小学校 海辺の生き物観察会 

2023年6月13日(火)9:30~13:30   4年生197名、先生8名、ガイド8名 

午後からの雷雨予想もあり心配された観察会でしたが、子ども達は元気いっぱいで学校から歩いてやって来ました。観察の仕方や危険な生き物の注意、熱中症やケガにも気を付けること等説明の後、いよいよ観察開始です。今日の干潮は12時8分、潮位は94㎝とあまり低くありません。10時に観察をスタートしましたが、またまだ海面が高く磯は少ししか見えません。 

それでも子ども達はイソギンチャクやヤドカリを見つけて歓声を上げます。貝をさがす者、カニを追う者、魚を狙う者、それぞれ違っていても眼がキラキラしています。 

岸壁際の潮だまりに魚を見つけたようです。何か相談しているみたい・・・。 

さぁ、やってみよう! 

貝やカニ、イソギンチャクもたくさん見つかりました。ガイドさんも探してくれたのですが、生き物ビンゴの中のオオヘビガイが中々見つかりません。潮が引いて岩が現れやっと見つかりました。 

「この赤いつぶつぶは何ですか?」見つけた生徒さんは大事そうに卵をトレイに入れていました。「うーん、何かの卵みたいだね~~」 
しばらくして、呼ばれたので行ってみると、「何かが生まれたように見えました!魚かなぁ~」と。
周りにいた皆でじいっと観察していると、ピョコンと何か飛び出しました。 
「わぁ、魚だ!魚だ!魚が孵った!!」 

不思議に感じてずっと見ていたのですね・・・そうして目の前で孵化の瞬間を見ることが出来た・・・生徒さんの集中力に感心しました。 
肺呼吸する「カラマツガイ」の呼吸孔、ヤドカリのからだや砂茶碗と言われるツメタガイの卵塊も観察できました。 

 カラマツガイの呼吸孔
ヤドカリのからだ 

潮が引いて砂浜に打ち上がられた海藻が増えてきました。
「先生、これは何ですか?」「これはミルという海藻よ、この前、この海藻に付く小さなウミウシを探していたの。」 

ミルはアオサなどと同じ緑藻類の海藻で、瀬戸内ではごく普通に見られます。根元(海藻に根、葉、茎の区別は無いのですが)から先に向かい何度も二股に分かれて行きます。生徒さんは『ミル』を持ち上げて見ていましたが、その枝分かれを見て「みんなピースしているみたい!」とにっこり笑いました。生徒さんの表現力を素敵!と感じた出来事でした。 

笛が5回鳴りました・・・お・べ・ん・と・う・・・の合図です。海を見ながらのお昼ご飯はきっと美味しかったでしょうね。 

帰り支度は忘れ物の無いように皆で片付けをしました。忘れ物をすると海岸にゴミを残してしまうでしょう!水中を覗くメガネも大切に持って帰らないと、来年の後輩が困るよね・・・生徒さんは先生のお話を真剣に聞いていました。 

最後にクイズをひとつ。 
「フナムシ」の脚は何本ですか?覚えておいてお家の方に話してあげて下さいね。 

アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
副代表 畑 久美