広島市郷土資料館 フィールドワーク【新緑の元宇品さんぽ】

5月27日,広島市郷土資料館の企画展『別世界、元宇品-陸地とつながった島の変容-』の付帯行事として宇品島のフィールドワークが企画され,これのお手伝いをしました。参加者30組、サポートボランティア7名、スタッフ2名、ガイド6名

ルート:元宇品港公園→中の谷→高射砲陣地跡→小径→杉ケ谷→灯台下の浜解散

絶好のお散歩日和でした。集合は元宇品港公園、出発までの待ち時間で公園の中にある海地蔵を見学しました。足元の公園が以前は入り江で、地蔵尊の建立が1700年台ということで皆さん感心されていました。

元々の海岸線から稜線に向かって歩きます。この辺りは島の路地の雰囲気を残しており懐かしい感じもあります。ヤブミョウガやシダが茂る薄暗い谷を行きます。

綺麗!真っ白い蛾がいました。ツバメエダシャクの仲間でしょうか、羽化してから日が経っているのでしょう、尾状突起が傷んでいます。

車道に上がりました。先の大戦末期、宇品島には高射砲陣地が構築され山頂の平坦地は、今では赤とんぼ広場と呼ばれています。草や小木で鬱蒼としていた広場ですが、G7広島サミットの警備バルーンの基地となりきれいに整地されていました。

ここには6基の八八式7cm高射砲があり、今もその台座と弾薬庫の一部が見られます。

じゃんけんの木、カクレミノのグーチョキパーの葉を観察しました。

森の小径の入口で休憩、生きている化石メタセコイヤが見えます。元宇品の森は高木の照葉樹に覆われています。小径を歩きながらクロキやツブラジイ、クスノキなどその樹皮を比べて見るのも面白いものです。

進むにつれて小径に積もった落ち葉の種類が違っているのが分かります。板根を触ってみたり、クスノキの葉を揉んで匂いを嗅いだりしました。

谷を下って海岸に出ると似島がきれいに見えました。マツの雌花が可愛い!これが松ぼっくりになります。

灯台の下の浜で休憩しながら貝殻拾い、ここで解散です。

G7広島サミットの為に設けられたフェンスの撤去工事が進んでいました。

海岸遊歩道も元の姿を取り戻しています。天候にも恵まれさわやかな宇品島を楽しむことができました。

アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
副代表 畑 久美