海辺の出会い【元宇品の水平虹】
2015年の観察会直前に灯台下の海岸から南西の空を眺めたところです。似島の上に水平の虹が出ています。
逆さ虹は寒い季節に見える環天頂アーク現象で一番上の色は青。水平虹は太陽が高い季節に見える環水平アーク現象で一番上の色は赤。この写真では一番上が赤いので環水平アークですね。虹とは違って、環水平アークは太陽と同じ方向に現れ、水平の帯の形をしています。
環水平アークは大気中の氷の粒に太陽の光が屈折、反射して起こります。環水平アークは太陽と地平との間、太陽から46°の方向に現れるので、太陽高度が高いとき、つまり夏至を中心に前後約一ヶ月の正午近くが、観察に適していることになります。
調べてみると、2015年の夏至の瞬間は世界時間で6月21日16:38です。日本における時刻はこの9時間後になるので6月22日が夏至の日でした。この写真は2015年5月17日13:00に撮影しましたから条件に一致しています。
観察会が始まり…水平虹はやがて消え、良く晴れとても暑い午後になりました。
クモヒトデを調べるときは種類によって特徴があるので、中心部の表と裏側を観察します。日差しが強過ぎて生物の写真はあまり良いものが撮れませんでしたが、クモヒトデの影というのも珍しいなぁ、と同じ日の思い出の一枚です。
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
副代表 畑 久美