異形のキノコたち
茶碗という名前ですが,形状は馬の鞍といった方がいいですね。
元宇品以外の場所で観ることのできるナガエノチャワンタケは,名前のとおり長い柄の茶碗型ですが,不思議なことに元宇品ではこの形は観察されることがほとんどありません。
カンゾウタケ
元宇品に多く生えているある特定の生きた樹木に生えます。 この樹肌で何の木か当てられるかな?
図鑑ではヒダナシタケ類(たとえるとサルノコシカケ)に掲載されていますが、近年ではハラタケ目(きのこ型きのこ、つまり絵本に出てくる普通のきのこ形)に近いことが分かって来ました。触ってみると柔らかい。裏面はスポンジ状の穴(管孔)が密生し、この穴の内面に胞子を形成します。しかもこの穴はチューブ状に1本ずつ分離しているのです。
ヒダナシタケによく似た形なのにハラタケに近いそこが異形!
ツエタケ (近年、複数の種類に分けられ、ツエタケはその総称)
地上に生えた姿は、普通のキノコ型きのこ、しかし目に入った時「ワー ツエタケに逢えた」とうれしくなってしまいます。良く観ると何かが違うのです。柄の上方から下に向かって少しずつ太くなっていき、地面付近でで一番太くなります。そこから地中では段々と細くなって深く伸びます。このきのこが好きな枯れ木でもあるのかも? この地中深くまで柄が伸びる姿が異形!
今回は倒木に邪魔されているので、地中の柄を掘り出せず、お見せできないのが残念です。
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
石津 さよ子