宇品島の歳時記【立春】
こよみ便覧(べんらん)では 「春の気立つを以って也」
旧暦では1年のはじまりは立春からと考えられていました。そのため節分や八十八夜など季節の節目の行事は立春起点として定められています。
東風解凍 (はるかぜこおりをとく)2月4日~2月8日
暖かい春の風が冬の間に張りつめていた氷を解かし始める頃。
実際には立春寒波が押し寄せ,数日は厳しい寒さが続きました。フキノトウの花が膨らみ始め,いち早く春を告げる梅の花はすっかり開いて,たくさんのメジロが蜜を吸いに寄っていました。
黄鶯睍睆 (うぐいすなく) 2月9日~2月13日
「ホーホケキョ」とウグイスが馴染みのある美しい鳴声で春の到来を告げる頃。
宇品島では暖かだった12日にウグイスの初音(その年の一番初めに聞くウグイスの声)が聴かれましたが,ウグイスは人前に出てこないので姿は見かけません。
魚上氷(うおこおりをいずる) 2月14日~2月18日
春の暖かさで湖や川の氷が割れ,氷下で泳いでいた魚が氷の上に跳ね上がる頃。
温かくなった水の中にゆらゆら泳ぐ魚の姿が見え始めます。宇品島の海岸では釣り糸を垂れる人も増えてきました。
立春の頃は初ワカメのおいしい時期になります。 沖には養殖ワカメのウキが並んでいます。
養殖ワカメの収穫に先駆けて,岸壁ではワカメ釣り?の人も多く見かけます。
やはり,立春まではまだまだ寒い日が続きますね。
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
坂谷知子