野原での草遊び【カラスノエンドウ】

昭和41年の4月,小学生になった私が最初に受けた理科の授業は学校の花畑での野外授業でした。 

パンジーやチューリップ,スイートピーの花を紹介してもらった後,先生は花壇の端に生えていた草で草遊びを始めたのです。 

いくつか習った楽しい草遊びから今日は楽器系の草遊びを一つ紹介します。 

カラスノエンドウ豆笛の作り方 

太った豆を摘み取る。 

サヤの付け根側を指で千切り背側のスジを取る。 

     

親指の爪を入れ切れ目を開く。 

中の豆粒を取り出し,白い綿は全てきれいに取り除く。 

吹き方 

千切った方を外に向けを口にくわえ、ゆっくりと息を吹き込みます。 

結構奥までくわえて、口先から出る豆は少しだけ吹く息は少しずつゆっくりとすると音が出やすいです。「スコッ」と詰まった感じがするときは,さやの中に唾液が入ったり綿などが掃除されていなかったりするのが原因です。きれいに拭ってください。 

ハイテク編 

口の中に豆を全て入れて,舌の上に置き,上顎と舌で挟んで息を吹き込み音を出します。口の開閉で音程や音色を変えることができます。 

豆笛の音が出るわけ 

どんぐり笛の音が出る原理は楽器で言うとフルートのようなものでしたが,豆笛はオーボエのような感じです。 

豆笛を口でくわえてすき間に息を吹き込んでいくと、サヤの空気圧が低くなってサヤの縁は閉まろうとします。閉まった瞬間は,まるで手をたたいたときと同じように音波が発生して豆を伝わり、唇あたりで反射して戻って来て、再び豆の縁が開き、また息が入ります。その豆の縁が閉まったり開いたりという動きを、ものすごい速さで繰り返すのです。その振動が音になって空気を伝わります。 

楽器の原理と一緒で豆の長さが変わると音の高さも変わります。いろいろ試してみましょう。 

アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会   
坂谷晃