宇品島の歳時記(小満)
陽気が良くなり,様々な生き物が次第に成長して生気があふれる季節です。
こよみ便覧(べんらん)では「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」
蚕起食桑(かいこ おきて くわたはむ) 5月20日~5月25日
蚕が動きはじめ桑の葉をたくさん食べるころ。
クワの実が実りテイカカヅラも花を咲かせはじめました。 中の谷にはセリがのびてました。
小径でスゲの葉をみつけました。昔はこの葉でスゲの笠を作っていたそうです。
紅花栄(べにばな さかう)5月26日~5月30日
あたり一面に紅花が咲く頃,ベニバナの栽培は山形県が有名ですが,広島でも県北では秋に栽培されているようです。
道端のアジサイの花も咲き始めました。山のハマユウが白い花を咲かせています。
クリの花が咲き始めました,コジイと同じように初夏の独特な匂いがたち込めます。ビワの実が黄色く色づいてきました。
麦秋至(むぎの あき いたる)5月31日~6月4日
青空の下で金色の麦穂が実る頃。「秋」とは穀物が成熟するという意味です。この時期に吹き渡る風を麦嵐といい,降る雨のことを麦雨と呼ぶそうです。
オオヨシキリが笹の中でにぎやかにさえずっていました。
畑では春キャベツが成長しています。先日幼虫を見かけたヒロオビトンボエダシャクの成虫がキャベツの葉の上に観られました。 今年は島のあちこちで見かけるので大量発生しているかもしれません。
梅雨入り前は「清々しい」という言葉がぴったりの季節です。生き物の成長を五感で楽しみましよう。
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
坂谷知子