宇品島の歳時記【如月 星状毛 鱗状毛】
宇品島の山は春を迎え,山の木々は春の芽吹きの準備をしています。この時期のお散歩で楽しいのが冬芽の観察です。グランドプリンスホテル付近でアカメガシワの冬芽を見つけました。
いつもは眺めてばかりでしたが,今日は冬芽に触れてみました。
アカメガシワの冬芽はビロード状の裸芽で触れてみると少しざらつきます。
若い枝は赤褐色でここにも白いものが見られます。
これは「星状毛」に覆われているからだそうです。
星状毛とは放射状に伸びた毛の事です。放射状に伸びた毛が星の輝きのようなのでこの名前が付いたのでしょうね。
少し歩いたホテルの生垣にはマルバグミが植栽されています。このマルバグミの葉裏は白銀色で,触れるとフケのように粉状のものがポロポロおちます。これは「鱗状毛」と呼ばれるものです。
鱗状毛とは鱗状のギザギザの半透明の膜が多数配列している状態のことをいいます。
良く見ると、銀白色の鱗状毛に赤褐色のものが混じっています。
植物は何のために表面に毛を生やすのでしょう。どのような理由があるのでしょうか?
①気孔の閉鎖防止
②虫除け
③異物の付着防止
④寒冷地での断熱
⑤日除け,乾燥防止
生存していくために進化する植物の仕組みには本当に驚かされます。
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
坂谷知子