耳をすませると
5月5日の夜更け時,山の上にある樹心庵の辺りから「ポッポ ポッポ」と規則正しい連続音が聴こえてきます。「何の音かしら?」と不思議に思いながら数日がたちました。その間も毎日のようにそのポッポちゃんは聴こえます。
ひょっとしたら―これは機械の音ではなくて鳥かしら?
そう考えると思いあたる事があります。
4年前の夏の事件でした。我が家の菜園は島の東向き山中にありますが,野菜を荒らす鳥を防ぐために網を設置していました。そこにあばれてる大きな鳥を発見したのです。体色がどうも猛禽類っぽい色をしています。
網を外そうと近寄ると,黄色い目で「キッ」と睨みを利かせ,自由になりかけた瞬間にこちらの頭めがけて飛びかかってくるのです(あ、もちろん逃がしてあげましたョ)。 見た目はフクロウで,その時はどこかのお宅で飼われていたフクロウが逃げたのだろう,という見解でお話は終わりました。
そして一昨年には,元宇品町内の方のお話で「ある晩,燐家(となり)の屋根に鳥がとまっていたの,目を凝らし観てるとそのシルエットはね,フクロウだったのよ!」とフクロウがこの島にいることを聞いていたのでした。 早速,ポッポちゃんの検索をしてみると,そのものズバリ「アオバズク」でした。
資料 森の父さん花鳥風穴
みなさんも公園へ行ったり森へ出かけた時は,静かに耳をすませてみてください。色々な鳥の鳴き声が聴こえてくると思います。 よくよく聴いているとオカリナのような音色で「ポッポ ポッポ」と二回ずつ規則正しく 鳴いてる声が聴こえてきませんか。
元字品の山にはフクロウも棲んでいるのです。
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
坂谷 知子