宇品島の歳時記【小雪】
こよみ便覧(べんらん)では 「冷ゆるが故に雨も雪となりてくだるがゆへ也 」
広島県北部では雪が降りはじめたという便りが聞かれました。うっすらと雪景色になったようです。
虹蔵不見(にじかくれてみえず) 11月22日~11月26日
冬に向かい曇り空が多くなる頃,陽射しが弱まってくるためか虹を観ることが少なくなります。観ることができても,夏のころと比較すると,ぼんやりとした虹ですぐに消えてしまいます。
早咲きのヤブツバキが一本,鉢ヶ谷で花をつけていました。
朔風払葉(きたかぜこのをはらう) 11月27日~12月1日
冷たい北風が、木々の葉を落とす頃
周囲の道を染めるナツヅタの紅色やエノキの黄色い落ち葉がきれいです。
葉を落とした木々は冬の景色。季節の移り変わりが感じられます。
スイセンの花が咲き始めました。
橘始黄(たちばなはじめてきばむ) 12月2日~12月6日
橘の実が黄色くなっていく頃
橘について古事記では非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)という不老不死の実と解説してあります。不老不死は魅力ですが,残念なことに元宇品で見かけることはありません。広島湾の周辺の島々では柑橘類の栽培が盛んですが,この島ではミカン栽培農家はないですね。最も自生しているのはカラタチで,山を歩くと棘が刺さって痛い思いをすることがあります。家庭で栽培されているものでよく目にするのはキンカンです。キンカンは別名姫橘とも呼ばれるようですが,元宇品は暖かいためでしょうか,すでに黄色くなったものが大半でした。
冬にはロゼット状になって寒さを耐えるハマナデシコ。
皆さんはミカンでお手玉をしたことがありませんか?ミカンに適度な衝撃を与えると甘くすることができるそうです。本当かな?
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
坂谷知子