美しき秋の女王『ジョロウグモ』其の1

ジョロウグモの名の由来は、江戸時代のお城勤めの身分の高い女官『上臈(じょうろう)』からとも言われています。メスの腹部は黄色と暗青色の縞々でピンク色の斑紋があり、黄黒の長い脚を含めると5㎝以上の大きな美しいクモです。
元宇品の森の中では、夏から秋にかけて大きく成長したジョロウグモが大きな金色に光る網をかけ獲物を待っています。

網の写真

ジョロウグモの網は特殊な作りになっています。1mを越えるような大きな垂直な網の前後に立体的な補助の網があります。横糸は黄色味を帯びていて、陽に当たると金色に輝き、その美しいことと言ったら…。網の横糸を良く見ると、数本ごとにすき間がありまるで五線譜のようです。

彼女が獲物を捕らえました。

クモの目はあまり良くないので網にかかった獲物の振動を頼りにしています。捕まえた獲物を噛んで毒を注入し動きを止めたあと、糸で巻いて網の真ん中に持っていきます。獲物は何日かかけてゆっくり食べます。彼女はたくさん食べて栄養をとり、この冬までに卵を産んで子孫を残さなければならないのです。

アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
副代表 畑 久美

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