宇品島の歳時記【雨水】
こよみ便覧(べんらん)では 「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也」
昔から雨水は農耕を始める時期の目安とされてきました。
土脈潤起(つちのしよう うるおい おこる) 2月19日~2月23日
冷たい雪が暖かい春の雨に代わり,大地に潤いをあたえる頃。
寒さも緩み眠っていた動物も目覚めます。
実際にはきびしい寒さが続きましたがシロバナタンポポを見つけました。
オオイヌノフグリもたくさん咲いています。
霞始靆 (かすみ はじめて たなびく) 2月24日~2月28日
野山にぼんやりと春霞がたなびき,幻想的な風景が見られる頃。
「霞む島山 瀬戸の海」と元宇品小学校の校歌の出だしに歌われるこの風景は,この島の春を告げる風物詩です。
平安の時代から和歌に詠まれた春霞ですが,最近は,天気予報などでも黄砂,PM2.5と区分されているようです。ちなみにこの日ぼんやりとたなびいていたのは,PM2.5らしいです。
なんだか,PM2.5では風情が無くなっちゃいますね。
今年はイカルとウグイスがほぼ同時に鳴き始めました。
草木萌動(そうもく めばえ いずる) 3月1日~3月4日
優しく照らす陽光のもと,ほんのりと薄緑に色づく草木が見られる頃。
桃の節句といわれるひな祭りは,立春から雨水までの間にひな人形を飾るのが一般的です。
ひな人形すてきですね。
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
坂谷知子