宇品島の歳時記(芒種)
こよみ便覧(べんらん)では「芒(のぎ)ある穀類、稼種する時なり」
梅雨入りするこの時期は稲や麦など穂の出る植物の種を蒔く頃と言われます。広島での田植えはもう少し早い時期で,県北からは3年ぶりに壬生の花田植(6月1日)が開催された便りが届きました。
蟷螂生(かまきり しょうず) 6月5日〜6月9日
カマキリは,秋に生みつけられた卵から誕生すると農作物には口をつけず,野菜を食す害虫を捕まえてくれます。作物に殺虫剤を使用しなくて済むので,野菜果物を耕作する私たちにとってありがたい存在です。
昨年は,元字品でもカマキリの卵をたくさん見かけたので,今年も活躍してくれるでしょうね。
2年前にはホトトギスが鳴いていましたが,今年は未だ声を聴きません。
腐草為螢(くされたるくさ ほたるとなる)6月10日〜6月15日
ホタルが暗闇に光を放ちながら飛び交う頃。
清流の水辺に棲んでいると思われがちですが,野原でも蒸れて腐りかけた草の下で明かりを灯し始めるそうです。元宇品ではホタルは観察できませんが,お隣の似島ではヒメボタルやヘイケボタルが観察できるそうです。
広島では6月になると初夏の訪れを告げる小イワシ漁が解禁されます。今年も10日から始まり,早速我が家の食卓でも解禁です。
6月14日広島県も梅雨入りが宣言されました。雨に打たれるとドクダミの花が勢いを増します。独特な香りが辺りに漂います。
梅子黄(うめのみ きばむ) 6月16日〜6月20日頃
梅雨入りと同じくして梅の実が薄黄色に色づく頃。
梅雨という言葉は梅の実が熟す頃の雨という意味です。
今年の梅は5月28日に収穫,6月4日には黄色くなっていました。熟して落果するのがこの時期になります。
我が家では毎年収穫した梅で梅干を作ります。
畑のトマトには,ニジュウヤホシテントウが毎日数十匹押し寄せ葉を食します。捕殺しか方法がなく四苦八苦します。
隣のジャガイモの花にはイシガケチョウが止まっていました。
今年は大雨による災害が発生しませんように…。
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
坂谷知子