変形菌事始め 其の2

はぁ~、これは一から勉強だ…。
私の「変形菌事始め」の日々が始まりました。

『粘菌』は『変形菌』とも呼ばれ単細胞生物で、昔は植物やキノコ(菌類)の仲間と考えられていました。19世紀中頃に、その生態が動物的であることが分かり、現在では、植物でも、動物でも、菌類でもない、アメーバ動物の一門と考えられています。過去にはホコリカビと呼ばれていたこともあり、和名は○○ホコリと称されています。

この黄色いアメーバ状のものは『変形菌』の「変形体」と言い、動きながら枯葉や朽木の表面の有機物を食べます。黄色い血管のように見える管を網の目のように伸ばしていき(このネットワークがすごいらしい)、快適な場所を求めて移動します

ふ~む、「変形体」は分裂や融合も可能で大きいものは数mに及ぶこともある…日射や乾燥に弱く、環境が悪化すると身を守るために「菌核」に変化するのか…

変形菌のライフサイクル

やがてこのアメーバ状の「変形体」は極小のキノコのような形の「子実体」に変身、「子実体」の中に詰まっている胞子から出てきた小さな「粘菌アメーバ」が二つ接合すると、また「変形体」に戻ります。えっ、粘菌アメーバには性別があって接合に相性があるって!何々性別が720も~~。

あの大きな「変形体」はこの落ち葉の層から這い出してきたんだろうけど、倒木周辺の有機物を食べてあんなに大きくなったんだろうか…掛け流したというよりは地面から明るい方に向かって這い上がって見えた…ということは、胞子を飛ばす「子実体」を形成する場所を探して移動していたのかなぁ…。週末を待って再び小径の倒木を訪れてみました。

2022.9.10
2022.9.10

1週間が経って、黄色い「変形体」は黄白まだらになっていました。

2022.9,10

これは、倒木周辺の様子です。倒木上の黄色い変形体は随分小さくなり、苔が目立つようになりました。また、樹皮の上には小さな粒が密集した黄色っぽいエリアと白っぽいエリアがあります。

2022.9.10

そうだ、胞子を飛ばす「子実体」が出来ているかもしれない…小さな樹皮を持ち帰ることにしました。

書籍やインターネットで調べていると「変形体」の飼育が出来ることが分かりました。何々…エサはオートミールで良いんだ。持ち帰った小さなかけらを湿ったキッチンペーパーの上に置き、取りあえず素麺をあげて次の日の朝。

素麺を置く
翌朝

へぇ~、すごい食欲です。オートミールは気に入ったのかあっという間に広がりました。

オートミールを置く
1時間20分後
 2時間後

「変形体」の動きが何とか目で追えないかとジイっと見つめていたのですが、ちょっと無理だったようです。餌を求めて広がり続ける「変形体」、これが一つの細胞だなんて…見つめていると本当に不思議で変形菌が動物的であることが良く分かります。

持ち帰った樹皮を拡大して見てみました。

これが胞子を飛ばす「子実体」?

確かに頭があって柄があるが…そもそも、この変形菌は1種類なのか、2種類いるのか?…時間経過で色が変わったとか?図鑑を読み、少し分かるとそれより数倍の疑問が湧く、という出口の見えない繰り返しになって行きました。
一体どうしたら良いのでしょうか…、そうだ、変形菌の専門家にお聞きしてみよう!

アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
副代表 畑 久美