南島原だより10【”カメムシ”はお好き?】
「水陸両棲スーパー昆虫」といえば、カメムシの仲間でしょう。王者タガメにはなかなか会えないけど、元宇品には美しいオオキンカメムシがいますね。
身近な数種を紹介します。
スカシヒメヘリカメムシ ヒメヘリカメムシ科
体色は黄褐色〜灰褐色〜赤褐色と個体差がある。イネ科(イネ、アワなど)、アオイ科(ワタなど)の汁を吸う。胸縁は光沢の強い黄色の横隆起、翅は透明で腹背が透けて見える。
真っ赤なカメムシが幼成虫集団でウサギアオイにいました。結構迷いましたが普通種でした。
ベニツチカメムシ ツチカメムシ科
九州の照葉樹林では普通。幼成虫とも餌はボロボロノキのみ。成虫は木の上で集団越冬、母虫は落葉の下などに巣を作り卵をダンゴ状に丸めて抱く。幼虫が孵ると地上に落ちたボロボロノキの実を遠くからでも運んできて与える。
九州の生息地では佐賀県が有名です。
ヒゲナガサシガメ サシガメ科
低山〜山地で樹上生活をし、他の昆虫を捕らえて体液を吸う。灯火によく来る。
赤と黄色が美しいスレンダーカメムシさん。
シロヘリクチブトカメムシ カメムシ科
ガやチョウの幼虫を狩って体液を吸う。肩先にツノがあり小盾板先や翅縁が白い南方系のカメムシ。畑をゆ〜っくり歩いていました。
ノコギリカメムシ ノコギリカメムシ科
畑地、平地、山などに普通。ウリ科(カボチャ、キュウリなど)について汁を吸う。写真は幼虫ですが、腹縁のトゲトゲは立派です。
ヒメジュウジナガカメムシ マダラナガカメムシ科
草原などに住む。ガガイモ科の植物について群れ、成虫は花や果実の汁を吸う。植物毒を体に蓄える事で食べられにくくしているらしい。
こちらではフウセントウワタ(キョウチクトウ科 旧ガガイモ科)によく集まっていました。そこにはキョウチクトウアブラムシという黄色いアブラムシがつき、それを食べにテントウムシもよく来ています。彼らも植物毒の恩恵を受けている?
クサギカメムシ カメムシ科
果実やマメ科(ダイズ、インゲンなど)の汁を吸う。
また会えたね。お馴染みの臭〜いカメムシさん。窓や洗濯物についているのを見つけるとドキッとします。
ウスモンミドリカスミカメ カスミカメムシ科
淡黄色の小さいカスミカメ。褐色のはっきりしない斑紋があり色彩変異が多い。国内は本種のみ。幼成虫ともキク科、ナス、レタス、イネなどの汁を吸う。
暑い時期に出るのに1月のある日ひょっこり現れました。気温17度〜そりゃ出るわ・・・
イチモンジカメムシ カメムシ科
体は黄緑色で胸背に太い線がある。雄は白〜黄白または淡緑色、雌は紅〜淡紅色。マメ科につく。
クスベニヒラタカスミカメ カスミカメムシ科
中国原産の外来種で2015年大阪府で確認されてから急速に広がる。幼成虫ともクスノキにつき葉の汁を吸うため多くの赤斑ができ落葉する。幼虫はヤニ光沢がある。
これは広島で見たちょっと気になるカメムシです。
昨夏、元宇品のクスノキが落葉していましたね。枯れないけれど葉がたくさん落ちればやはり樹勢は落ちるそうです。
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
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