南島原だより15「ウミウシ・アメフラシの仲間」

南島原だより15「ウミウシ・アメフラシの仲間」

ウミウシやアメフラシは、軟体動物の中でも腹足網という巻貝の貝殻が小さくなったり失ったりしたグループに入ります。雌雄同体ですが異個体間で交尾受精します。分類には今もわからないところが多くあるそうです。分類体系は「新版ネイチャーウォッチングガイドブックウミウシ 小野篤司・加藤昌一 誠文堂新光社」に拠りました。

春先から秋に出会ったものを紹介します。

側鰓目:殻はなく、外套の背側がよく発達している。

ウミフクロウ(フシエラガイ科)

5月、アマモ場に卵を産みに来ていました。動きが速く撮れたのは後ろ姿でしたが、幸せになれるかな。フクロウだし。

裸鰓目 ドーリス下目:最も大きなグループ。殻はなく体後部に剥き出しの鰓を持つ。

イソウミウシ(ドーリス科)

鮮やかなオレンジ色がよく目立ちました。

ツヅレウミウシ(ツヅレウミウシ科)

幅広で複数の暗色班と小班がある。地味ですが大型のウミウシ。

クモガタウミウシ(ツヅレウミウシ科)

ツヅレウミウシに似ているが班は不規則。裏面の黒紋が特徴的でクモガタウミウシとしたが、この個体の裏面は良くある橙色ではなく白い。変異が多い。

クロシタナシウミウシ(クロシタナシウミウシ科)

体は柔らかく、黒いドレスの裾に黄色いフリルが一周。歩く姿が優雅です。

マダラウミウシ(クロシタナシウミウシ科)

アメフラシより少し遅れ7月頃から石の影などで見られました。体は橙色で暗褐色班、黄色い鰓(二次鰓)がふわっと開くと可愛いです。

※クロシタナシウミウシとマダラウミウシは色彩が大きく変わりますが、同じ種類であるという説もあります。

ミヤコウミウシ(クロシタナシウミウシ科)

背にイボ状突起と青斑が美しい。変異が多い。写真の2匹はご夫婦かも。

裸鰓目 枝鰓亜目:ナメクジ状の柔らかい体で背に様々な形の突起が並んでいる。

ムカデメリべ もしくは ヒメメリベ(メリベウミウシ科)

宮島の海ではよく見かけていました。食事姿は迫力ありですが、体はちぎれやすいので注意。

ムカデメリベかヒメメリベかは頭巾の触手列の違いによります。

裸細目 枝鰓亜目 オオミノウミウシ上科:体はナメクジ状で背に蓑状の鰓突起。ほとんどの種が体内に餌由来の刺胞を持つ。

イロミノウミウシ(オオミノウミウシ科)

暖かな11月の日、浅瀬で出会いました。ピンクの体と灰色のカールした突起がオシャレな大型のウミウシ。イロミノウミウシとイズミミノウミウシは同種。

頭楯目:ウミウシの中では最も原始的な形を残している。体内に殻を持つ。

ブドウガイ(ブドウガイ科)

殻は球状で薄く体が透けて見える。

アオサの上をうごめくウズムシ顔の軟体動物は、よく見かけた卵の主でした。

カラスキセワタ(カノコキセワタ科)

の中に住み他のウミウシや小型貝類を食べる。大型で美しい。変異が多い。

砂泥中からワラワラと10匹くらい出て来た時は流石に驚きました。

アメフラシ目:背面に体を左右から包む側足が発達。薄い葉状または僅かに石灰化した殻を持つ、または全くない。

アメフラシ(アメフラシ科)

春先から初秋、「海そうめん」と呼ばれる白〜橙色の糸状の卵塊を生みます。春、丸々と肥えた個体がゴロゴロしていましたよ。

フレリトゲアメフラシ(アメフラシ科)

体はナメクジ状で背に蓑状の突起と青班があります。写真は青斑が薄かったのでゴミかと思った…。

<参考>

HP 「標本は語る東京大学コレクションⅩⅠⅩ  東京大学総合研究博物館 大場秀章2004」

  「五島列島福江島の博物誌」

本 『新版ネイチャーウォッチングガイドブック ウミウシ』小野篤司・加藤昌一 誠文堂新光社

『ウミウシガイドブック2』鈴木敬宇 TBSブリタニカ

  『日本近海産貝類図鑑』奥谷喬司 東海大学出版

アーズ・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会 あ