活動記録 地球さんぽ「冬の森歩き」

2023.12.17

〇地球さんぽ10:00~12:00 天気:小雪→曇り

ルート(一般):中の谷→車道→カゴノキ→クスノキのひこばえ群→プリンスホテル駐車場解散

ルート(親子):中の谷→車道→カゴノキ→クスノキのひこばえ群→灯台駐車場解散

参加者:一般参加 6名、勉強会生徒 5名、ファミリー 8名(大人3.子ども5)

ガイド 12名 

今年一番の冷え込みです。小雪が舞ってぼんやりと冬景色の宇品島です。

出発の頃には雪も止み、冬の森目指して歩き始めました。

今日は、赤い実の植物を観察、センリョウやマンリョウはおめでたい植物としても知られています。

ガイドさんから赤い実と鳥の関りを聞いたり、実の付き方を観察しました。

谷を上ると、綿毛のようなテイカカズラの種が沢山落ちていました。湿った綿毛は乾くとフワッと開きます。澄み切った空気と聞こえてくる鳥の声、冬の森は美しくおさんぽの足取りも軽い…。

  

子ども達が車道に落ちている木の枝を拾いました。樹皮が剥がれて木の髄がむき出しになっています。匂ってみると「うわぁ、良い匂い~~」「すごいよ、良い匂い~~、お家に飾りたい!」一同木くずを拾って匂いを嗅ぎ、大盛り上がりです。こんな大発見があると、その次は「どうして?なぜ?」と子ども達の興味が湧きだしました。どうやら木の枝は前日の強風で落ちてきたクスノキの枝のようでした。

カゴノキの樹皮は迷彩のような不思議な模様をしています。冬の寒い時期に1枚ずつ剥がれて行くので不思議な模様になります、とガイドさんが教えてくれました。

宇品山には、伐採されたクスノキのひこばえが大木に育ったものがいくつも在る森があります。

大木になった「ひこばえ」

ひこばえ群の成り立ちには、クスノキの伐採が明治のころで宮島の大鳥居のために供出、また、先の大戦末期、機銃陣地構築のため伐採など諸説あります。

ここには、常緑広葉樹の代表でもあるヤブツバキが沢山在り、冬のこの時期にはツバキの果皮がたくさん落ちています。手に取ると、三つに分かれた不思議な形です。

ここでは、ツバキの果皮の厚みとゾウムシの口吻の長さの競い合いのお話もありました。元宇品の自然は、季節を問わず興味深い事柄を見せてくれます。寒い中でも楽しい冬の森歩きになりました。

〇勉強会 13:00~14:30  元宇品会館

勉強会会員 8名、ガイド  11名、

午後からは 今日の観察物について深堀する勉強会が開かれました。

・あんなに沢山実がついているのに、その木だらけにならないのは何故?

・元宇品にユーカリはありますか?…HPの関係するコラムをご紹介

・ツチグリはいつ開くのですか? ・何を見ても楽しい… などなど

ツチグリ 2022.3.2

本日は講座形式ではなく、感想や疑問を皆で話し合う形で、様々な話題が登場し盛り上がりました。先日リリースされた、元宇品のシダに関する論文の紹介とその発見の経緯や内容の説明もありました。

ツチグリ関連のコラム

星形の湿度計 – アース・ミュージアム元宇品 (sanpo-motoujina.club)

エリマキツチグリとの出会い – アース・ミュージアム元宇品 (sanpo-motoujina.club)

土柿日記(つちがきにっき) – アース・ミュージアム元宇品 (sanpo-motoujina.club)

ユーカリなど外国産樹種関連のコラム

宇品山・樹木名板の謎 – アース・ミュージアム元宇品 (sanpo-motoujina.club)

アーズ・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会

副代表 畑 久美