道草の思い出
子ども時代,お母さんに叱られたことはありませんか?
「こんなに遅くまで、どこで道草食ってたの!」
団塊の世代のわたしの年代で,田舎に住んでいた子どもたちは,ほんとうに「道草」を食べていました。
春先は道草も豊富。イタドリ・チガヤ・キイチゴ,木の実も入れればグミ・・・などなど。
まずはイタドリ。スッポン・カッポン・コッポンとも呼ばれます。たぶん折った時の音からついたのでしょう。茎を曲げて、簡単にポキンと折れるところから取ります。あまり日差しのきつくない、やや水分の多い土質の場所にはえている太めの茎が、おいしい。外側の薄皮を剝いてなかを食べます。甘味はさほどありませんが、ほんのりと酸味がありみずみずしくて、遊び疲れてのどが渇いた子どもにはとてもうれしい(記憶の中では、ほとんどポカリスエットかアクエリアス)。元宇品にもありますが、強い海風が当たるためか,細くてあまりおいしくなさそうです。
チガヤ・・・これはススキをうんと小さくしたような見かけです。穂が出てとう立ちする前の若いさやを剝き,穂を噛みます。すかすかしていますが,しばらく噛んでいるとほんのり甘味が感じられてきます。ガムのように食べていました(飲み込まない,味がなくなりクチャクチャになったら吐き捨てる)。わたしの田舎では「ズボナ」と呼んでいました。尾道郊外出身の知り合いは、ズンバラだといいました。
キイチゴとかグミは定番の道草のおやつ。グミは、ブイブイとかビービーとも呼ばれています。どなたも食べた経験があるのでは?
ナワシログミは元宇品でもみられます。
とってすぐに食べることはできませんが、ツクシとかワラビは見かけたら摘まずにはいられません。これらは「道草」というより、風雅な山菜の素材ですね。
そうです,春の野山は青虫・毛虫、野鳥の食べ物以外にも『食べ物』に満ち溢れています。
アース・ミュージアム元宇品 自然観察ガイドの会
浜村良江